ウィリアム・ユーバンク監督作「地球、最後の男」("Love" : 2011)[DVD]

ISSのクルーが地球との交信途絶に見舞われた後、孤独に苛まれ、やがて非現実的な世界に誘われていく様を描くSFドラマ作品。

1864年、アメリカ南北戦争。不死身の男と称されるリー・ブリッグス大尉は、全滅した師団から生還すると、マクレーン将軍の部隊に合流する。マクレーンは部隊の進路上に、巨大な物体が発見された事を明かすと、不死身のブリッグスに適任と称して偵察を命じる。同時にマクレーンは、旅程を記録に付ける様にブリッグスに命じる。任務を帯びて出発したブリッグスは、やがて旅の途中のクレーターで巨大な物体と遭遇する。

2039年、宇宙飛行士リー・ミラー大尉は、ISSに基幹要員としてただ一人残り、任務に従事する。ある時、地球の管制から、遠隔支援無しで軌道に残れるかの操作テストを行うために、軌道方位数値を送信する様に命じられる。その際、管制から成功を祈ると告げられ、ミラーはその真意を訝る。その直後、通信に不可解なノイズが生じるが、ミラーは普段通りに任務をこなしていく。

程なく、ミラーは兄から甥っ子が生まれたというビデオメッセージを受け取る。その直後、通信障害が生じ、管制との交信が途絶える。ミラーは障害の原因を突き止めようとするが、復旧の目処は立たず、通信は断絶する。

その後、管制から録音された通信メッセージがミラーの元に届く。管制は、こちらで不味い事が起き、ミラーを軌道から戻そうにもそれを行う人がいない為に、冷静に待つようにミラーに告げる。憤慨したミラーはそれが冗談か、或いはストレステスト、隔離実験の類だと察し、即刻中止して状況を伝える様に要求する。しかし、管制からの返事は無く、ミラーは孤独に苛まれながら、生命維持装置の引き延ばしを図る。

ミラーは任務を放棄し、徒に時間を費やす内に、精神が蝕まれ始め、過去にISSに滞在した宇宙飛行士の写真を話相手にする様になる。ミラーはその中の美しい女飛行士と懇意になる想像に耽り始める。やがてミラーは船内での孤独な暮らしに耐えかね、幻視や幻聴に苛まれていく。

ある時、ミラーは通信機器の修理に訪れた先で、装置の中から包装された日誌を見つける。ミラーはそれが、1864年6月4日に始まる歩兵師団リー・ブリッグス大尉の日誌だと知る。ミラーは日誌を読み進める内に、ブリッグスが死への恐怖に抗いながら綴った、戦いと旅の様子に思いを巡らせ、それを一心不乱に絵に描くようになる。しかし、ブリッグスが最終的に何を見つけたのかが記されぬまま日誌は終わっており、ミラーは不満を抱く。

ミラーは幻覚と会話をしながら、精神の安寧を図ろうとする。管制との交信が途絶えた2039年7月7日から丁度六年が経過した2045年7月7日、ミラーは生命維持装置の引き伸ばしに限界を感じると、ISSを離れ、地球へ帰還の旅に出る、すなわ自殺を企図する事を決意する。ミラーは地球で人生を終えたいという旨の伝言を残すと、宇宙服を着て、地球の方へ向かおうとするが、命綱を断つ決断ができず、再びISSに戻る。

歳月が経過したある時、ISSに巨大な構造物が接近し、ISSにドッキングする。意を決して構造物の内部に移動したミラーは、奇妙な建物の中を進み、やがて巨大なメインフレームに辿り着く。ミラーは机の上に、端末と一冊の本を発見する。それは「ラブストーリー:黙想、物語、人間の条件の記憶集/古文の歴史協会 編集/語り手 あなた自身」と称された本で、ミラーはその中で、ブリッグスが墜落した巨大な宇宙船を発見した記述に始まる歴史から、人類が宇宙人の技術を利用してきた事が示唆されていることを知る。更にその後には、夥しい数の名簿とコードが記されており、ミラーはその中に自分の名とコードを見つける。ミラーがそれを端末に入力すると、シークエンスが起動される。次の瞬間、ホテルの一室に遷移したミラーに、何者かが語りかける。

~悪いがこの映像でしか接触できない。会えて我々も安心した。先へ進む前に伝えなくてはならない。君が最後だ。皆、消えた。結び付きは人にとって最も大事なもので不可欠だ。ずっと観察していた。君がみているのは断片集、記憶のコレクションと人類が存在した記念の品だ。楽しい記憶を大事にして進むのだ。人生は続くから。君の行動は他人の行動へと影響を与えるかもしれない。結果、君の人生は彼らの目の中で続く。見つけてよかった。今に会える。~

ミラーが部屋から出ると、今度は宇宙を模した空間へ遷移する。ミラーが目の前の銀河に触れた途端、記憶の光に包まれる。微笑むミラーに、機械の音声が語りかける。

~生命体を検出。位置を確認中。今夜は素晴らしい人類との接触実験でした。人類と機械と、そしてあなたとの共生の関係です。人間の脳は多種の結び付きに優れ、各々が記憶であり、事件なのです。今夜は一人の記憶では無く、数千の人々の記憶に残る。この後、あなたは目を閉じて、戻るのです、ここへ、今へ。そしてこの瞬間を忘れないで。あなたは孤独じゃない。あなたが感じた何かは、他人も感じているもの。それは「LOVE」。~

 

 

邦題からしてSFスリラーかと思って観始めたのだが、序盤こそそんな雰囲気を醸し出しているものの、中盤以降、何やら雲行きが怪しくなり、唐突に支離滅裂で非現実的過ぎる展開が繰り広げられていくから、困惑するなどというレベルでは無い。肝心のオチはと言えば、「ポエムかよ!」と突っ込まずにはいられない様なイミフなメッセージが繰り出されるのみで、雲を掴む様な終わり方だった。2001年宇宙の旅を想起させる様な、いわゆるアートな作品を目指したのかも知れないが、なんだかなぁという感じで、凡人の僕には趣旨がまるで理解できなかった。とりあえず全部妄想オチという解釈にしておく。

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